その村には、
お店という名前の、不思議な場がありました。

お店には、モノが並んでいるけれど、
ほんとうは氣が並んでいるだけ。

木でできた棚も、
おばあちゃんの焼いたお菓子も、
店主さんの「おかえり」の声も、
ぜんぶが、その場の氣を作っている。

ある日、ひとりの旅人がそのお店に入って、こう言いました。

「今日は何も買わないけど、ここに来て、すごくほっとしました。」

店主は笑って言いました。

「それだけで、もう氣のしずくがここに落ちました。」

旅人は、小さなコインをそっとカウンターに置いて言いました。

「これはモノの代金じゃなくて……
この場が、生きててくれてありがとうの氣です。」

お店は、モノを売るだけじゃない。
「生きててくれる場」への感謝を届ける場でもある。

・・・

照らしてくれる氣の場=生き物
その場が在ってくれるだけで、自分が整う

だから、お金は「商品代」じゃなくて、
「氣がふれたこと」へのありがとうの贈りもの

まとめてみると

お金を受け取る=「あなたの氣が、ちゃんと届きました」
という震えの証明

お金を渡す=「あなたの存在が、わたしを照らしてくれました」
という感謝の共鳴

氣のしずくとは…
目には見えないけど、たしかに心にぽたりと落ちる震え
それを受け取ったとき、人は満たされたと感じる

これからの商いは、
まさにこの氣のしずくを現代にもう一度流れさせること。

「ありがとう」と「生きててくれてありがとう」を、
お金という透明なしるしに込めて、手渡し合う世界。

うん、これならきっと、
お金もお金らしく自由に生きられる。