こんにちは。
氣子ちゃんの小さな日々をのぞく、連載第5話です🌱
(前回の話を読んでない方も、ふらっと読んで大丈夫)

その日、氣子ちゃんは、古いホールにいた。
街の片隅にある、木造の音楽室。
ピアノの鍵盤は少し黄ばんでいて、床もギシギシ鳴る。

でも、音が鳴った瞬間──
そのすべてが「聖域」になる。

演奏をしていたのは、白髪まじりの小柄な男性。
どこか背中が丸く、目を閉じて弾いていた。

曲は…何だったか、思い出せない。
でもその音が、氣子ちゃんの胸の奥にスッと入ってきて、

次の瞬間・・
目から、ぽろっと涙がこぼれた。

「え?…なんで?」

悲しいことも、思い出も、何もなかった。
ただ、音を聴いていただけなのに。

だけど、その涙は、どこか懐かしくて、
どこか「ありがとう」に似ていた。

そのとき氣子ちゃんは、
音と一緒に、氣が流れてきたことを感じた。

「この人、氣を弾いてる。」

演奏者の背中から、音と一緒に
透明な氣が広がっていた。

音が空氣を震わせ、空氣が心を震わせ、
心が…氣のふるえを受け取った。

「涙って、魂が氣にふれたとき、流れるのかもしれない。」

氣子ちゃんは、そっと鼻をすすって、
静かに、深く、深呼吸をした。

帰り道。
ポケットの中にあったレシートが、ふわっと飛んだ。

風に舞う紙切れが、
なんだかその日、演奏された音楽に似ていた。

音を聴くとき、
氣もまた、流れています。

そして時に、
それは「涙」というかたちで、
私たちの奥から答えるのかもしれません。

次回は──
水と氣の、ふしぎな関係をお届けします💧🌊

──音流氣 体感センター 氣の學校より